2010年10月15日金曜日

My African Family

6年ほど前、香港に行った時ある占い師に未来を占ってもらった。

多くの内容は忘れてしまったけど、一つだけ今でも覚えている言葉がある。

「アナタ、トテモマモラレテル。ピンチノトキ、タイヘンナトキ、イツモダレカガタスケテクレル。
 アナタノマワリニハ、ツネニソウユウヒトガイル。」



その時はふーーん、って感じで流して聞いていたものの、
その後数年経ってから、時々ふとその言葉を思い出すようになった。
というか、それを実感するようになった。

今回もここケニアに来て、それをよく感じる事がある。
私の事を守ってくれている優しい人たちが周りにいる。
特に私の隣に住む「コスマス一家」 
私のセキュリティのアンテナが低いせいもあってか、私以上に私の安全(&それ以外の事も)を常に気にかけていてくれる。
12歳の息子スティーブは、私が寝坊して12時まで寝てると、
「どうかしたの?風邪引いたの?病気?」と心配してくれ、
「遠出するときは、出かけてる事を知られちゃだめだよ。だから南京錠は中から掛けて裏口から出るんだよ!」とアドバイスしてくれたりする。


私がナイロビに出かける事を知らせなかったとき、
何かトラブルに巻き込まれたんじゃないかと、ずっと心配していてくれた。


また、夜中にキッチンの水が出始めるのをいい事に、キッチンのドアを開け
カレーライス・あんこを作っていた事があった。
キッチンから聞こえてくるあんこを何度もつぶす音、大量の水の音、炒め物の音・・・
父コスマスは私の家が襲われていると思い、自分の家の電気を全てつけ、
すぐさま電話をしてきた。
「大丈夫か?!誰かいるのか?!助けはいるか??!」

「・・・・・???」

のんきに夜中cookingをしていた私は、お隣さんがえらいパニックになっている事に
初めて気づいた。

「もうすぐで近所みんなに電話をかけるところだった!
 ゆみ!キッチンのドアは夜中開けちゃダメ!誰かが入ってきたらどうするの!」

「すんまへーーん夜中に。。。」

心配かけまくってるのに、私を娘のようにいつも気にかけてくれている。

「何かあったら、近所みんなで守るから。夜中でも何でもすぐに駆け付けるから。ゆみは家族の一員だから。」

本当に私守られてる、とつくづく感じる。


あとは、もうちょっと私の危機管理ちゃんとしんといかんと思うばかり・・。






2010年10月14日木曜日

事件は会議室で起こっているんじゃない!現場で起こっているんだ!!

織田祐二も言いました。

「事件は病院で起こっているんじゃないんだ!村で起こっているんだ!!!」

・・・っとゆうわけで、実際病院にもアクセスできず、情報の届かない場所に住んでる住民にこそ、
何らかのアプローチが必要だと思う。

最近仲良くしてもらっている、VCTカウンセラーたちと共に、本日コミュニティーへ。(MVCT)
カウンセリングとHIVテストをし、早期の段階で治療・アクセスを目指すために。



kawino south location in Nyando




幹線道路をはずれ、ぐんぐんと農村へ入って行く。
羊をよけ、ロバをよけ、牛をよけきれず道をゆずりながらバイクで進む事40分。


たくさんの女性とbabyたちが出迎えてくれた。 
この多くが自宅で出産をし、HIVのステータス(HIV陽性か否か)を知らないでいる。(※ケニアでは妊娠時、病院で全員の母親にHIVテストを実施)

早速テントを張り、カウンセリング&テストを実施していく。







←双子の母親。
彼女も自宅分娩をし、本日テストにてHIV陽性である事を知った。













↑母子感染の可能性もあり、1歳になる彼女のbabyの踵に針を刺し、HIV検査をする。
「どうか、赤ちゃんにだけは感染していないでほしい・・・・」

そんなささやかな祈りも通じず、
10分後、検査キットには2本のラインが浮かび上がった。(=陽性である事を意味する)

まもなくもう片方の双子のbabyもHIV陽性と判定された。


母子感染は、妊娠時よりARV(抗HIV薬)を飲み、出産時と産後にもARVの内服+babyにも1週間ARVの内服でかなりの確率で母子感染を防げる。
もし、適切な治療を受けていたら、もしステータスを知っていたら、母子感染を防げていたのに・・。
自身の陽性と、小さな双子もHIVと分かった彼女。
今後考えられる様々な困難を考えると、本当に胸がしめつけられる思いがした。









↑1歳半のルーシー、HIV陽性。
全体的に痩せこけ、栄養失調の状態。叔母に連れられてきた。

ルーシーの家を訪れると、痩せこけた母親がベッドに横たわっていた。(右写真上)
まだ20歳ながらも、実際かなり年老いてみえる。
夫は数日前より帰ってこず、食料もなく、病院からもらった栄養補助食をコップ一杯/日 摂取しているのみ。


今日見た現状はほんの一部で、まだまだ病院にもアクセスできずにいる村の人たちが、たっくさんいる。
特に、母子感染に関しては「防げる感染」なだけに、この状況はショック。


思うのは、出来るかぎり、足を運ぼう。
一部の恵まれたケニアだけ見るんじゃなくて、
今起こっている現状を、ちゃんとこの目で確認しよう。

世界を100人の村に縮小すると、

80人は標準以下の居住環境に住み

70人は文字が読めず

50人は栄養失調に苦しみ

1人が瀕死の状態にある



まずは、そこを見る事から始まる気がする。