従兄やおじさん、おばさんなど総勢11人で暮らしているとのこと。
こういった光景はケニアでは珍しくなく、身寄りのない者は親戚の中でも余裕がある家でお互いを
養いながら生活を共にする。シャロンちゃんの家の大黒柱は54歳になるおばあちゃんたったひとり。
家の敷地内に畑はあるものの、野菜を売るだけの収穫はない。他の人から委託された野菜を売っ
た手数料の50~100ksh/日(50~100円)が唯一の生活費となる。
一家の大黒柱となるだけあって、おばあちゃんはとてもたくましい。
「本当にね~、私一人で稼ぐのは大変よ~。最近腰も痛いしね、野菜もそんなに売れないし、ま、で
もしょうがないわよね。私が働かないと始まらないからね。」
ケニアでは決して若いとはいえない年齢だが、貧しい生活を吹き飛ばすような明るい性格のおばあ
ちゃん。話しだすと周りの雰囲気がぱっと明るくなる。
家は11人が住むには窮屈すぎる程のスペースしかなく、シングルベッドに4,5人が身を寄せ合って眠る。
残りの家族はリビングの硬い椅子で眠るという。
家に電気はなく、夜11人を照らす明かりはアルコールランプ1個だけ。
それでもシャロンちゃんはおばあちゃん似のしっかりした口調で、将来の夢を教えてくれた。
「勉強を一生懸命して、将来は弁護士になりたい。弱い立場にある人たちを助けたいから。」
彼女の輝いた目を見ていると、本当に実現できそうな気がしてくる。
貧しさを糧に、彼女の前向きな姿勢はきっと明るい将来を切りひらいてゆけると願う。