ウィリアム君 10歳 小学校4年生
まだ英語がスラスラと話せないウィリアム君は、私が質問をすると恥ずかしそうにうつむいて下を向いていました。
ウィリアム君は義足のおばあちゃんとの2人暮らし。
彼の家を訪れると、裏庭でおばあちゃんが1人たたずんでいました。
おばあちゃんは5年前に事故で左足を失って以来、義足の生活をしています。
それ以来、畑仕事や料理・洗濯など今まで行っていた家事がほとんどできなくなりました。
ケニアの多くの家庭では、3つ石を使いしゃがんだ状態、または猿の腰掛程度の低い椅子に座って
調理をします。義足をはめた状態では、このしゃがむ行為がとても負担のかかる姿勢となるのす。
今では10歳のウィリアム君が毎日の食事を作っています。
現在は近くの教会の牧師さんが毎月少しづづお金を寄付してくれるお金で、何とか生活をしています。
毎日食べられるご飯は1日、1~2食。最後にお腹がいっぱいになったのはいつかも忘れてしまっ
た・・・と照れながらおばあちゃんが話してくれました。
最近は腰や目も悪くなり、ほとんどの時間をリビングや裏庭に腰をかけて1日を過ごす事が多くなっ
たそうです。
「不憫な生活が時々情けなくなる・・・。」
涙を浮かべながらおばあちゃんがぽつりとつぶやきました。
小さな孫がいるのに、自分は何もできない事を話の中で度々嘆いていました。
それでも、私が家を訪れた事を大変喜んで下さり、
何度も「ありがとう、また来て欲しい。何も無いけど、また来てほしい。」
と手を握って話してくれました。
細くなったしわくちゃのおばあちゃんの手。
おばあちゃんとウィリアム君がまたお腹いっぱい食べられる日がまた来るよう、
私にできる事を精一杯しようと心から思いました。
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