2011年11月16日水曜日

悲しいお知らせ

本日3番目に産まれた羊の赤ちゃんが死んでしまいました。


原因は「羊の尻尾の切断手技」によるものと思われます。

羊の尻尾は産まれて数カ月以内に、切り落とされる事になっています。

理由としては、交配の邪魔になる、他の動物のように虫を追い払う機能はなく、ただぶら下がって

いるため、糞・尿が付き不衛生となる為です。



これは日本でも行われているのですが、ただその主義が問題でした。



1週間ほど前に校長先生から、「今日羊の尻尾を切断したよ。」

と聞かされました。

手技を聞いた時、一瞬ドキッとしたのを覚えています。

熱した斧でギリギリと尻尾をカット。

その後に切断部を焼いて灰を塗ったとの事。


今日死んだ羊は大きかったせいもあり、出血が多かったとも言っていました。



これがケニアの家庭でなされている一般的な方法のようです。

もちろん私も医療者なので、灰を塗るなんてもっての他という感想でした。

不運にも、尻尾の切断部から感染し、

破傷風に罹り死んでしまったようです。


ただ、ここはケニア。

私たち先進国から来た者から見たら、

信じられない事をしている・・・と思う事が多々あります。

こちらが正しい事を言っているのは明瞭でも、

それが通じない、または彼らの方法を受け入れなければならない場面に何度か出くわします。

しかし、あくまで私はつい1年半前に来たよそ者です。

何十年、何百年とある彼らの風習・文化・価値観をそう簡単に否定できる立場ではないのです。

事実として受け止め、どう彼らに問題として認識させるか、

そのきっかけを作らなければいけないのです。


私の任地はケニアの中でもそれ程田舎でもなく、

今回の過ちはみんな共通に認識されていたようです。

「伝統的な方法に頼るのは辞めよう。」

今回の失敗をきっかけに、そうみんなが理解したようです。

せっかく産まれた命、

残念でしたがこれをきっかけに、学ぶものもあったのではないかと思います。

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